資金繰表から増加運転資金の需要が発生していることが把握できるでしょうか。資金繰表を単純に眺めたのみでは資金需要の実態を把握することは困難です。そのため、実際に分析・検討の仕方を説明していきます。「増加運転資金」は、必要運転資金の増加を言います。必要運転資金は、

必要運転資金=売上債権+棚卸資産-買入債務

で計算され、当期の必要運転資金と前期の必要運転資金との差額を言います。

9月必要運転資金
増加運転資金合計

この増加運転資金の発生要因には、以下のようなものがあります。

1 売上増加に伴うもの
2 売上債権回転期間の長期化に伴うもの
3 棚卸資産回転期間の長期化に伴うもの
4 買入債務回転期間の短縮化に伴うもの

上記の要因のうち売上増加によるものは問題ありませんが、24の要因によるものは企業間信用の変化によるものを意味するため、好ましくなく、また3の要因は不良在庫の発生を意味するため、いずれのケースも、場合によっては企業の破綻に繋がって行くリスクがあります。そのため、これらの変化に至る理由を調査、原因把握することが必要となります。

では、上記の増加運転資金960百万円は、どのような要因により発生しているのかを確認していきましょう。それには、まず、売上債権・棚卸資産・買入債務の各回転期間を算出することから始めます。回転期間算出の基となる、月平均売上高(月次売上高)は、正確には売上債権の回収期間(売掛期間+手形サイト)を使用して算出します。比較時期が期末同士の場合には、期中の平均月次売上高で比較するという方法もあります。