50代・女性のご質問

父が他界し50日が過ぎました。
父は遺言書を作成していませんでした。
四十九日法要の後、遺産の分け方を相談しましたがまとまりません。
どうしたらよいか教えてください。

回答

遺産分割の協議に共同相続人が全員参加できない事情があったり、
協議しても合意が得られないときは、家庭裁判所に申し立てて分割してもらうことができます。

申し立ての方法には調停および審判があります。
一般的には調停を申し立て、まとまらない場合審判に移行します。
ただし、申立人の都合によっては、最初から審判の申し立ても可能です。

家庭裁判所の調停による場合

遺産分割の調停は、解決を望む相続人が、他の相続人を相手方として、
「相手方の住所地の家庭裁判所」に申し立てます。

必要書類は、遺産分割申立書に遺産目録、被相続人の除籍謄本、相続人の戸籍謄本などを添付します。
家庭裁判所では、裁判官(家事審判官)1人と、調停委員2人以上で構成される
調停委員会が調停に当たります。

そして、客観的に妥当な線で当事者同士の話し合いがまとまるように指導します。
話し合いがまとまると、この結果は「調停調書」に記載されます。
この調停調書は確定した審判と同じ効力があり、この調書により遺産分割が行われることになります。

家庭裁判所の審判による場合

前述の調停で話し合いがまとまらない場合には、審判に移行します。
審判も相続人が他の相続人を相手方として申し立てますが、
相続開始地(被相続人の最後の住所地)に、調停と同様の資料を添付して行います。

審判は非公開で、裁判所の職権で証拠調べをし、法定相続分を基準としつつ、
特別受益や寄与分および財産の種類、性質、各相続人の職業その他一切の事情を考慮して、
公権的に分割方法を決めます。

この審判に不服があれば、不服の申立てをして高等裁判所で争うことになります。

ワンポイント

最近では、相続人が子どもたちだけの場合の遺産配分の争いのみならず、
子のない夫婦が増えているためか、夫や妻の遺産をそれぞれ兄弟が争うケースも増えています。

この場合は、家庭裁判所の調停、審判の申立てをすることになりますが、
解決まで時間がかかるうえ、お互い感情的になり結果はよくありません。
それを未然に防止するためにも、遺言書を作成しておくことをお勧めします。