売上高に対する営業支出割合を把握する比率

●売上高対出金比率

売上高対出金比率

この比率は売上高に対する営業にかかる支出割合を示すものです。すなわち当月中の営業にかかる支出が売上高で賄われているかどうかを見る比率です。「売上高>費用」の関係(同比率が100%以下)にあれば、一応利益が確保されていることを意味すると同時に、資金繰り上も、経常収支ではプラスになっていることを示します。

この比率は、当該企業の損益計算書上の非現金支出費用(減価償却費、諸引当金の積増額)を除く営業利益率の逆数「1-償却前、引当前営業利益率」を基準として判断を行うこととなります。

《判断の視点》

1 「売上高対出金比率<償却前、引当前限界営業利益率」経常収支はプラスであり、利益が確保されている 2 「売上高対出金比率>償却前、引当前限界営業利益率」経常収支はマイナスであり、資金繰りの悪化を招く
3 売上高対出金比率の100%以上の状態が連続している場合赤字の発生が懸念される

支払状況から業況、企業間信用の変化を判断する比率

●仕入支払比率

仕入支払比率

5月の支払比率を算出しますと次のようになります。

5月の支払比率

《判断の視点》

この比率の水準は通常100%程度です。

1 高ければ高いほど支払状況は良いが、資金繰りを圧迫する可能性がある。
2 低ければ低いほど支払状況は悪いが、資金繰りは改善される。
3 当該比率が100%を超えている場合、仕入先から早期支払を迫られている可能性がある。
4 当該比率が極端に低い場合、支払いに応じられないほど資金繰りが悪化している可能性。

〈比率の特性〉

1 仕入高が増加傾向にある場合には比率は低下する。
2 仕入高が減少傾向にある場合には比率は上昇する。

支出項目の諸比率

●買掛金支払率

買掛金支払率

この比率は買掛金の残高に対して実際に支払われた額の割合を示す比率です。この比率も売掛金回収率と同様に、企業の支払条件によりその水準が決定されますので、企業の支払条件から当該率の水準(算出方法は、売掛金回収率と同様)を把握し、比較することにより判断します。

《判断の視点》

1 一定水準で安定推移しているのが望ましい。
2 乱高下が激しい場合……仕入れが安定しておらず、業況、及び企業間信用に問題が発生している可能性が高ある。
3 適性支払率と比して低水準に推移している場合……資金繰難により支払いを延ばしている可能性
4 適性支払率と比して高水準で推移している場合……仕入先より早期支払を迫られている可能性

支払手形のサイトの変動の有無を判断する比率

●支払手形支払率

支払手形支払率

《判断の視点》

1 比率が漸減傾向にある場合支払手形サイトの長期化の可能性
2 比率が著しく低い場合手形支払期日延期がなされている可能性

〈比率の特性〉

1 仕入れが増加傾向である場合には比率は低下する。
2 仕入れが減少傾向である場合には比率は上昇する。

ポイント

売上高対出金比率、仕入支払比率、買掛金支払率、支払手形支払率の4つの比率で資金繰りを見ます。各比率の判断のポイントは、後述の通り。