予想資金繰表の作成目的

資金繰表は、企業の売上と仕入れに基づく収支状況を把握し、資金繰表の「過不足」欄からいついくらの資金が不足するか、また、いついくらの資金が余剰となるかを確認することができます。また、資金繰表は、企業の資金取引が全て記載されますので、自社の資金取引がその市場において適切な量で行われているか否かを判断する事も出来ます。

予想資金繰表により新規借入の妥当性を判断

企業から運転資金の借入申込みがあった場合、その申込金額、必要時期、返済財源、返済時期が、当該企業の回収条件、支払条件から作成された予想資金繰表の資金不足の金額(申込金額)、不足の時期(必要時期)、資金余剰(返済財源)の発生の時期(返済時期)、資金余剰要因、返済財源、などが申込み内容と一致しているか否かについて確認するために作成します。

赤字資金を検出する

収益性の悪い企業は、赤字であってもそのまま赤字資金として申し込んでくることは無く、増加運転資金などの名目で申し込んでくるのがほとんどです。赤字発生の要因は、売上より、仕入れ・経費等の支出が多いため、売上高原価率・売上高経費率を考慮して予想資金繰表を作成すれば、「過不足」欄は恒常的に資金不足が発生することになり、申込内容との相違が生じて虚偽の申込みであると識別できます。また、企業が売上高を水増しして資金繰表を作成してきた場合でも、当該企業の過去からの売上高推移をベースに資金繰表を作成することで、提出された資金繰表との乖離が生じるため、提出された資金繰表の信憑性を確認することができます。

資金需要の把握を通じて将来の資金不足の有無を把握する

融資取引において、取引拡大・深化を図るには企業の資金需要のタイミングを捉え、そのタイミングにおいて資金調達の打診を出す事が効果的です。予想資金繰表を作成することにより、事前に当該企業の資金不足の時期を読み取ることが可能であり、タイミングを見計らって資金投入を図る事ができます。

機能取引の効率性を確認する

資金繰表は、企業におけるすべての循環資金、

1、受取金額の総額(現金回収額・振込回収額・受取手形の総額)
2、支払金額の総額(現金支払額・振込支払額・支払手形発行高・決算賞与資金の額)

が項目別に把握できます。これらと、「自店の機能取引」、

1、代金取立手形
2、回収代金の振込指定
3、割引手形の取扱いシェア
4、自店の支払手形発行高
5、支払代金振込の取扱高6決算(納税・配当金・役職員賞与)資金の取扱高等の取扱いの有無、及び、取扱高は融資シェアに見合って確保されているかどうかの確認が可能となり、機能取引の深化の材料として活用できます。

ポイント

予想資金繰表の作成によって企業の借入申込みの真偽を判断する事ができるほか、企業から提出された資金繰表自体も、検討に使用するだけでなく、自らが当該企業の回収・支払いの各条件に基づき作成する事によって、回収・支払いの理論値を自ら把握する事ができ、虚偽の資金繰表を見抜く事ができます。自ら作成した資金繰表と企業から提出された資金繰表を比較し、相違点の原因追求も必要となります。