資金繰表作成に最低必要な項目

1 売上高(年間売上予想高など)

2 仕入高(年間仕入予算など)

3 回収条件(締め日、回収日、現金回収割合、手形回収割合、受取手形サイト)

4 支払条件(締め日、支払日、現金支払割合、手形支払割合、支払手形サイト)

5 期中経費支払費(決算書類から売上高経費率を算定の上、推定値を算定可能)

6 固定費増加見込額(人件費…昇給率、採用数、新規借入等による増加金利負担等)

7 納税支払予定額(決算書から取得可能)

8 賞与支払見込額(人員×平均給与×賞与支給率等)

9 割引手形実行割合(受取手形回収高に対する割引手形実行率)

10 借入金の返済計画

事前確認方法

数期間の損益計算書を確認する

1 数期間の損益計算書から売上高増加率を確認する。
2 月別売上・仕入実績表から売上の季節的変動の有無と要因を確認する。
3 確定申告用決算書類付属の「法人の事業概況説明書(図表5-1)の 「月別の売上高等の状況」から売上高の季節的変動の有無を確認する。

仕入れの季節的変動の有無を確認する

1 数期間の損益計算書から過去の売上高に対する仕入金額の推移、売上高原価率を確認する。
2 「月別売上・仕入実績表」(図表5-2)から仕入れの季節変動を確認する。
3 確定申告用決算書類付属の「法人の事業概況説明書」の「月別の売上 高等の状況」から仕入れの季節的変動を確認する。

手形の回収日を確認する

1 決算付属明細の受取手形内訳書から手形回収日(回収日=手形振出 日)及び手形期日を確認する(振出日~期日=手形サイト)……回収日 の確認
2 自社での割引手形から上記と同様の確認を行う……回収日・手形サイ トの確認
3 確定申告用書類付属の「法人の事業概況説明書」の「決済日の状況」 から締切日・決済日を確認しておく……締め日・回収日の確認
4 自社の当座預金・普通預金への売上代金の振込日(回収日)を確認し ておく……回収日の確認
5 過去の資金繰表から現金回収割合・手形回収割合を確認する。

手形の支払日を確認する

1 決算付属明細の支払手形内訳書から手形支払日(支払日=手形振出 日)及び手形期日を確認する(振出日~期日=手形サイト)……支払日 の確認
2 確定申告用決算書類付属の「法人の事業概況説明書」の「決済日の状 況」から締切日・決済日を確認しておく……締め日・支払日の確認
3 自社の当座預金の支払手形から手形支払日(支払日=手形振出日)及 び手形期日を確認する(振出日~期日=手形サイト)……支払日 ・手 形サイトの確認
4 自社扱いの総合振込依頼書から支払代金の支払日を確認する。
5 過去の資金繰表から現金支払割合・手形支払割合を確認する。

当期発生経費を見積る

1 当期売上高×売上高経費率(過去実績)=当期経費、として当期経費を見積もる。

人件費増加率、金融費用増加額を見積もる

1 損益計算書から過去の人件費増加率を把握しておく。
2 当期の借入金・割引手形の増加額を想定する(借入金等増加率×平均借入金利=支払利息・割引料の増加額)

法人税・地方税納付額を把握する

1 前期の確定申告書等から法人税・地方税等の納税額・役員賞与・配当金の額を把握しておく。

賞与額を予想する

1 当期の従業員賞与の金額を過去実績等から予想する。

割引手形実行率を算出する

貸借対照表の期末残高より算出が可能です。

1 (割引手形残高÷受取手形残高(含割引手形))=割引実行率

以上の確認作業より大半の事項については、当該企業にヒアリングすることなく把握することが可能です。

回収条件の確認

回収条件については、取引先との力関係で相手先の意向に従わざるを 得ない場合など、回収条件が統一され取引先全部が一緒であるケースは稀です。そのため、平均的回収条件を当該企業に確認する必要があります。一方で、支払条件については支払い側の意向に添って統一的に確定されるのが一般的です。

ポイント

予想資金繰表を作成するにあたっての、最低必要事項は10項目、それらを確認するための事前調査には9つの方法があります。回収 条件は取引先ごとに相違するのが一般的であり、また数ヵ月以上先 の販売先ごとの売上高を把握することは難しいため、予想資金繰表に個別要素を織込むことは困難です。そのため、予想資金繰表の作 成においては、平均的な回収条件を把握し盛り込んでいくことになります。