資金繰表の種類

企業における資金繰りの状況を把握する資料には、以下のものがあります。

1資金繰り実績・予定表(資金繰表)
2資金運用表
3資金移動表

上記2及び3は企業の決算資料から作成可能ですが、1の資金繰表については決算資料から作成する事は困難であるため、企業側が作成して提供することになります。

資金繰表の構成

資金繰表は、その構成から次のように分類できます。

資金繰表の分類

一部制

項目別に収入と支出を網羅的に配列したものであり、経営活動の収支全体を一覧で把握できる点に利点があります。また細かな区分設定は必要ないため、作成が比較的容易であり、取引が定型的な企業、または比較的小規模な企業においては有用となります。

一方で、営業取引に関する収支のほかに財務取引や投資取引などの営業外の取引についても一括して記載されるため、営業取引や経常取引のような取引の性質ごとの収支が判別しにくい点に欠点があります。

二部制

一部制から財務収支を独立させたものとなります。これにより営業取引に関する収支やバランスの状況が把握しやすく、また経常収支も独立されているためその良否が把握しやすい点に利点があります。比較的作成しやすく、資金繰表としてはポピュラーなものと言えます。

三部制

企業全体の収支を、営業取引に関する収支、投資活動に関する収支、財務活動に関する収支、財務活動に関する収支に区分したもので、収支上の問題点を把握しやすい利点があります。企業規模が大きい場合や営業活動が多岐にわたる場合には、この形式による資金繰表を利用する事が一般的です。

資金繰表の表示形式

資金繰表の表示形式は、上述の各構成において以下の通り区分されます。

4区分

表示形式としては、1前月繰越2収入3支出4次月繰越となり、小規模企業など、現金決済中心の取引を行う企業で、外部借入が少ない企業において適している形式と言えます。

6区分

表示形式としては、1前月繰越2収入3支出4差引過不足5財務収支6次月繰越となり、外部借入への依存度が高い企業において適している形式と言えます。

7区分

表示形式としては、1前月繰越2収入3支出4差引過不足5財務収支6次月繰越7主要勘定残高となります。6区分形式に主要勘定科目の残高を記載しているため、勘定科目残高を利用した財務分析を行う事が可能になるため、資金運用に関する有用性が高い形式と言えます。

一部制4区分資金繰表

二部制7区分資金繰表

三部制7区分資金繰表

ポイント

キャッシュマネジメントを行う上で、資金繰表は取引の性質ごとに区分を分けた方が増減要因を把握しやすく、また財務分析の併用を行った方が資金管理上の有用性が高まるため、一般的には、三部制7区分の資金繰表が利用されます。このような形式を採用する事により、主要勘定科目の残高推移や回転期間推移などを把握し、その変動から当該企業の資金繰りの実態を理解し、与信管理などに利用することが可能となります。