繰越高の算出

翌月への繰越高は、

翌月への繰越高=前月よりの繰越+差引過不足+財務収支

により算出されます。この繰越高は企業の手持現金、及び預金を示し、資金繰表における預金からは定期性預金を除くべきですが、企業によってはこの部分を含めている場合がありますので、その確認も必要です。確認方法としては、決算書の現金、及び預金の内訳書で定期性預金の額が把握できます。この繰越高は企業の即時支払能力(短期安全性)を示すもので、短期安全性(支払能力)を示す指標として現金預金比率があります。

現金預金比率

この比率は、一般的には20~25%程度あることが望ましいと言われていますが、業種によっても相違していますので、同業他社比較が必要です。同業他社比較の方法としては、最も入手しやすい「中小企業実態基本調査」からも把握することができます。「中小企業実態基本調査」には、直接的に現金預金比率の項目はありませんが、同調査では業種別の「貸借対照表」が掲載されており、そのうち「現金・預金」の残高が示されていますので、同B/Sの流動負債との割合から、現金預金比率を算出することが可能となります。

現金、及び預金はどの程度あるのが望ましいか

現金、及び預金がどの程度あるのが望ましいかは、業種や規模、支払条件によって異なりますが、おおむね売上高の1ヵ月程度あることが望ましいと言えます。また、即時支払能力を補完するものとして受取手形(除く割引手形)を考慮する必要があります。すなわち、受取手形を割引することにより資金化することは比較的容易であるため、手持ちの受取手形がどの程度あるかを見ることも必要です。どの程度の残高が望ましいかは現金、及び預金と同様に業種や規模、支払条件を勘案する必要があります。

ポイント

資金繰表作成の必要性及び目的として、資金管理を効率的に行うという点があります。また、翌月支払の準備金の確保が必要ですので、翌月の回収状況を踏まえたきめ細かい管理が必要となります。そのため、繰越金が必要以上に多かったり、少なかったりしていないことが重要となります。このことから、資金繰表の繰越高から、企業の即時支払い能力(短期安全性)や資金管理に対する姿勢、ひいては、経営能力が読み取ることが出来ると言えるでしょう。