おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第三百三十九回目。

テーマは、

「何気に怖い経理要件 」

です。

法人税の特例の中には、

「損金経理」を要件に、
経費と認めるといった規定

が設けられているものがあります。

「損金経理」とは、決算書において費用や損失で
経理することを言います。法人税は基本的に
会社の決算を前提に作られるという原則が
ありますので、この損金経理要件を前提とした、
特例がいくつか設けられているのです。

「損金経理」要件がある特例の一つに、

補助金をもらった場合の圧縮記帳

があります。

これは、設備投資のための補助金をもらって
固定資産を購入した場合などに認められる
ものです。具体的に申し上げると、
1000万の補助金をもらって1000万の
固定資産を購入した場合、圧縮記帳の経理で
1000万の損を損失として決算で計上すれば、
その損が法人税で認められることになります。

この処理を行えば、1000万の補助金の
収益は計上されるものの、同額の損が
立つため、両者は相殺されて課税はない
ことになります。

このように経理すれば足りるのですが、
先日の裁決事例を見ると、どういう訳か
こんな経理をせず、

1000万の補助金の収入を計上しない
代わりに、圧縮記帳の損も計上しない

といった処理をした納税者がいたようです。

この処理は、補助金について利益が出ない、
という点で上記の処理と同じ効果がありますが、
損を計上していない以上「損金経理」要件に
抵触しますので、圧縮記帳が認められません。
結果として、この納税者に対しては、
1000万の補助金について
収益に計上し、全額課税されています。

実務ではあまり「損金経理」要件を
意識しませんが、経理していないだけで
大きな不利益を被ることがありますので、
「損金経理」など税法が定めている
経理要件については決して甘く
考えてはいけません。

しかし、近年は会計基準が複雑になり、
会計基準で義務付けられる経理をしても、
税法の経理要件に抵触するといった
事態が生じています。

この典型例はリース会社が、リースの収入を、
リース期間において繰り延べる場合の
処理です。一定のリース取引は、
リース契約をしてリース資産を引き渡した
段階で、リース収入の総額を
収益計上することが原則です。

しかし、税法の定める所定の経理を行えば、
リース期間に応じて少しずつ収益に
計上することができるという特例があります。

この所定の経理ですが、リースの会計基準で
決められた処理とは一致しません。
上場企業などの大企業は、
会計基準に従わざるを得ないため、そもそも
税法の経理要件を満たすことが
出来ないことになります。

そうなると困るので、国税は税法に関係なく、
会計基準の処理を行えばこの特例を
認めていると聞いています。
税法を作る主税局がきちんと会計基準を
調べなかったため、こんな問題が
生じている訳で、改正が必要です。