おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第三百三十八回目。

テーマは、

「「税務調査で否認されない節税」の境界線 」

です。

税法には、法律に関係なく、
安易な節税行為(租税回避)を否認できる

行為計算否認規定

という極めて強硬的な法律があります。

このため、「税務調査で否認されない節税」の
境界線について、多くの税理士が
関心を持っています。

これに関連して、とある国税OBによると、

行為計算否認なんて税務調査で使われることは
ほとんどないので、基本的に恐れるに足らない

といった解説がなされています。

この国税OBに限らず、税務署の経験がある者は
基本的に税務署を舐めていますから、万一
問題になったとしても、税務調査で何とかできると
考えているため、このような安直で裏付けのない
解説をするのでしょう。

税務職員はもちろん、国税OBも基本的には
税の素人なので、このような馬鹿げた解説が
幅を利かせることになります。

言うまでもなく、問題点は、

実務で「行為計算否認」が
使われないことではなく、
国税が使おうと思えば使える状態にある

ということです。

事実、このような法律があるからこそ税理士は
不安に思っている訳で、どのような場合に
この法律が適用されるのか、具体的な
要件についての解説を期待しているのです。

困ったことに、「行為計算否認」は
そのルールが不透明とされており、
先の安直な国税OBに止まらず、
裁判所や学者でさえよく分かっていません。

裁判所や学者は、

「節税目的」や「経済合理性」の有無が
「行為計算否認」に重要

と言います。

しかし、目的や合理性という考え方はあまりにも
漠然とし過ぎて、本当に「行為計算否認」
の対策ができるのか、疑問が残ります。

正直に申し上げると、税法は司法試験に
出ませんから裁判所も全く得意ではないですし、
学者も判例や論文を研究し、税法そのものを
研究していませんから、権威があるにしても、
彼らの言うことをそのまま信用するのは
大いに危険なのです。

結果として、裁判所や学者も
イマイチ信頼できないため国税に聞くしかない、
ということで、ろくに税法も分かっていない
国税OBを頼ってしまう税理士が多くいます。

困ったことに、国税OBはその腕(圧)力で
税務調査の結果を変える力を持っていますので、
万一の際は何とかしてくれる、
こんな期待を税理士は持ってしまいます。

「税務調査で否認されない節税」の
境界線について、正解を申し上げますと、それは

金額

で決まります。

あまりにも当たり前すぎて、
セミナーのテーマにもなりませんが、
これが全てです。

仮に、億単位の節税をしていれば、
それがいくら法律で問題ないと
明記されていたとしても、
調査官は税務調査を頑張って
否認しようとします。このため、
ルールがよく分からず、普通の税務調査では
まず使わない「行為計算否認」も使うはずです。

すなわち、考えるべきは節税額の大きさであり、
大きければ法律や実務に関係なく、
国税を納得させる理論武装と、
万一の腕力がものを言う税務調査対策が
必要不可欠になります。