おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第三百三十七回目。

テーマは、

「「最高値」と「比較」は義務 」

です。

国税と不毛なトラブルになる
税務調査の問題点の一つに、
役員報酬が高すぎるという問題、すなわち

過大役員報酬

があります。

何をもって過大なのか、
明確な基準が全くありませんので、
役員報酬として適正な金額は原則として
国税のさじ加減で決まります。

このため、大きな問題になる訳ですが、
国税が支払われる役員報酬を過大と判断する上で、
必ずやらなければいけないことがあります。それは、

同業他社との比較
最高値との比較

の二点です。

まず、同業他社との比較ですが、
同業他社に比して高いからこそ、
過大役員報酬の話が出てきます。
このため、必ず同業他社との比較を
国税は行わなければなりません。
この点、過去の判例でも明確に示されています。

しかし、同業他社をセレクトするとなると、
国税にとっては非常に大きな手間と時間が
かかりますから、実際のところ
比較が義務付けられているだけで、
納税者としてはかなり有利な状況でもあります。

次に、最高値との比較ですが、
役員報酬が過大であるかどうかは、
①同業他社との比較はもちろん、
高すぎると問題にされた②役員の職務内容、
③法人の利益状況、④法人が支給する従業員の
給与の支給状況などに照らし、
それぞれで計算される適正額のうち、
最も大きな金額と比較をする必要が
あるとされています。

役員報酬が「高すぎる」ことが問題になる訳ですから、
慎重を期す意味で、
このような取扱いとなっているのです。

言い換えれば、国税はそれぞれすべての金額を
計算した上で、役員報酬が「高すぎる」
と言わざるを得ませんし、私たちは国税が
適正と決めた金額に対して、他の方法で
「高すぎない」ことを反論することが
できるということになります。

それに加え、最近の判例において、
同業他社との比較について、同業他社における
同様の職務を行う役員の報酬額のうち、

最高値と比較して過大かどうかを判断するべき

とされた事例があります。

この事例において、国税は複数の同業他社と
同様の職務を担う役員をセレクトし、
これらの役員の平均報酬額が適正な
役員報酬の金額と主張していました。しかし、
慎重に役員報酬が「高すぎる」ことを
チェックしなければならないことから、
このように最高値と比較するべきとされたのです。

いずれにしても、上記の通り、
役員報酬が「高すぎる」かどうかは慎重に判断
するべきとされています。

この点、従来は国税も税務調査で
寛容だったと思いますが、近年は厳しい対応を
するようになりつつあると考えられます。

いくら慎重に判断するとは言っても、それを
行うのは裁判所で国税ではありませんので、
納税者としては常に税務調査で
問題視される恐れがあります。

こうなると、納税者の権利保護という観点からは
大きな問題ですから、再度国税には
役員報酬について寛容な対応が求められます。