おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第三百三十五回目。

テーマは、

「財務省大綱にも注目しよう 」

です。

税制改正は、例年12月の中旬に公表される
与党税制改正大綱から始まります。

与党税制改正大綱は、
与党が公表する税制改正大綱ですが、
実はもう一つ、

財務省が公表する税制改正大綱

があります。

この財務省税制改正大綱においても
税制改正の内容が記載されていますが、
与党税制改正大綱とその内容は原則同じです。

しかし、大きな違いが一つあり、
財務省税制改正大綱には

税制改正による税収の増減見込み

が記載されています。

この税収の増減見込みを見ると、
なかなか面白いことが分かります。
一例として、令和2年度改正における、
接待飲食費の改正があります。

企業が支出する交際費は、
中小企業は800万円まで、大企業は全額が
経費になりません。
しかし、その例外として、
交際費のうち接待飲食費については、
その一部が経費になるとされていました。

しかし、この接待飲食費の特例について、
令和2年度改正においては、
資本金の額が100億円を超える
法人について、適用ができないことと
されました。

税制改正大綱を見ても、
なぜこのような法人がこの特例を使えないこと
になるのか見えてきません。

加えて、資本金100億円という基準についても、
どこで線引きしたのかよく分からない状況です。

シャープや吉本興業のニュースで
問題になりましたが、資本金だけで中小企業と
大企業を線引きし、
中小企業に特例を与える現状の法人税について、
多くの批判が寄せられていますから、
資本金で更に線引きする意義もよく分かりません。

この点、先の税収の増減見込みを確認すると、
この改正により140億円の増収が
見込まれています。

それと対応する形で、130億円の減収が
見込まれている改正項目があります。
それは、5Gの投資減税です。

令和2年度改正の目玉として、広く報道
されていましたのでご存知の方も
多いと思いますが、大きな可能性がある
5Gについて、投資減税が認められる
ことになりました。

日本の将来を考えれば、
5G投資の重要性は極めて大きいため、
通常の投資減税よりも大きな金額の減税が
認められることとなっています。

当然のことながら、減税を行うなら財源が
必要になる訳で、この手当てが接待
飲食費の改正、と考えられるのです。

現状の税制を変えるのであれば、
本来は合理的な説明が必要になるはずですが、
単なる財源の確保だと、理論も理屈もないので
税制改正大綱では明確な説明が
なされなかったと考えられます。

税収の増減見込みを見ると、
このような政治の本音も解釈できますので、
単に改正内容だけではなく、
この情報も参照するべきでしょう。