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内訳書の記載と税務調査

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第三百六十三回目。

テーマは、

「内訳書の記載と税務調査」

です。

少し古い裁決事例ですが、役員が
常勤か非常勤かが問題になった際、

確定申告書に添付する内訳書の記載

を国税が取り上げて非常勤と判断した事例があります。

この事例では、体調を崩したため
取締役会長となった先代経営者の報酬が問題に
なったものです。

この先代経営者は代表職を後継者に
譲ったものの経営方針に大きな影響を持つ
とともに、入退院を繰り返しながら会社に
出社したり他の役員に必要な指示をしたりしていました。

安直な国税は、「入退院を繰り返す」という点
と、先代経営者について、役員報酬の内訳書で
非常勤役員に○を付けていた点を取り上げて、
役員報酬の適正額が小さくなる非常勤役員として
追徴課税しています。

しかし、先の通り大きな影響力を持つこと、
そして会社に出社して役員としての職務に
従事していることから、裁決では常勤役員と
判断されています。

税には実質課税の原則があり、
実態に即した課税をするという常識があります。

しかし、当の国税は非常に安直に税金を
取ろうとしますので、参考資料程度の
価値しかない内訳書に、自分に
都合のいいことが書いてあれば利用するのです。

このため、内訳書の記載も慎重に行う
必要があると言われますが、最もいいのは、

リスクのある内訳書は極力出さない

ことです。

法律を読んでいただくと分かりますが、
毎年確定申告書に添付する内訳書については、

「勘定科目内訳明細書」を添付する義務がある

としか書かれていません。

すなわち、どの勘定の内訳を提出するのか、
どの程度内訳を開示するのか、法律には
記述がないのです。

現状、預金や買掛金など、役員報酬や
地代家賃などさまざまな内訳書がありますが、
これらの様式や中身はすべて
国税庁が独自の解釈で作成したものです。

このため、別途独自の内訳書の様式を作って、
それを添付しても「勘定科目内訳明細書」を添付した
と判断されます。

加えて、さすがに一枚も内訳書を添付しないのは
法律に違反するでしょうが、例えば一種類
であっても、それを添付していれば
「勘定科目内訳明細書」を添付したことになるはずです。

実際のところ、役員報酬の内訳書を
添付しなかった申告について、役員報酬の
内訳書を提出するように国税局から
指導されたことがありますが、上記の通りの
回答をいたしましたら、内訳書の提出は不要
であるので役員報酬の内容だけ教えてほしいと言われました。

内訳書の記載は税務調査リスクを増大
させますので、極力シンプルにするべきなのです。

とりわけ、役員報酬は税務調査でよく
狙われますので、その内訳書は、国税から
聞かれるまでは出さない方が無難でしょう。

内訳書の記載で課税されることもある
訳ですから、課税されないよう、敢えて出さない
という選択も一考の余地があります。

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