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連年無申告でも重加算税にならないという事例

おはようございます!
税理士の松嶋と申します。

本メルマガは、皆様が怖い怖い
とおっしゃる税務調査に対し、
勇気をもって戦えるノウハウを
解説しております。

私のパートは【毎週木曜日】です。

税務調査について分かりやすく
解説していきます。

それでは、第三百六十二回目。

テーマは、

「連年無申告でも重加算税にならないという事例」

です。

近年は、税務調査に協力しないことで、
脱税した事実を隠そうとするような
露骨な行為があれば、それは

過少申告しようとする意図を外部からも伺いうる特段の行動

として、その「特段の行動」に対して重加算税を
課税する実務が増えています。

この「特段の行動」の具体例の一つに、
連年無申告があります。

連年無申告とは、所得がありながら複数年にわたり
毎年申告をしないことを言います。

連年無申告であれば、脱税の意思が
明確であるとも言えますので、
この場合には重加算税が課税されることが
多くあります。

しかし、先日、10年以上にもわたり
連年無申告を続けていた会社に対する
重加算税の処分が取り消された裁決事例がありました。

この会社は、設立以来の顧問税理士がいましたが、
税理士に提供する書類に不備が多く、正確な
決算申告が難しいことから顧問契約を解除されました。

その後、その会社は2~3人の税理士に
申告決算を依頼し続けましたが、先の
顧問税理士と同様に書類に不備がある
という理由や、無申告の期間が長く
リスクがあるという理由で断られ続けたのです。

すなわち、脱税を目的に意図的に
申告しなかったのではなく、申告したくても
できる状況になかった、というのが
正直なところであり、裁決においては
このことが評価されて重加算税が取り消されました。

この裁決事例で勉強になるのは大きく二つです。

一つは税務調査対策でよく言われることですが、
記録の重要性です。税理士に依頼をし続けた
という記録をきちんと残していたために、
脱税目的あっての無申告ではないことを
証明できたと言えます。

もう一つは、

出来る限りの最善の努力をすることが税の世界においても重要である

ということです。

私の経験を申しますと、帳簿の保存が
不十分だった個人事業者の方の
税務調査の際、その方がわざわざ
取引先に出かけて資料を取ってきて、
国税に見せたことがありました。

このようなできる限りの努力をしたこと
について調査官も大いに評価し、円滑に
税務調査を終えることができました。

こういう訳で、連年無申告であっても、
脱税目的がないことを立証できれば
必ずしも重加算税が課税される訳ではない
のですが、それにしてもこのような
最善の努力をしていることは担当した
国税調査官も分かったはずです。

裁決で取り消されたとはいえ、
国税が重加算税を課税したことが残念です。

「連年無申告は即重加算税である」と、
毎度のことながら安直な対応をする
国税組織には慎重な対応を求めたいと思います。

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