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有価証券の売買はいつ認識するのか

おはようございます。

金曜日を担当していますセブンセンスグルー
プ(SSG)公認会計士の髙橋です。

金曜担当の私からは、会計・財務、税務、監
査、内部統制関連の基礎・Tips等をお伝えし
ます。

115回目の今回はイレギュラーな有価証券売
却時の会計処理についてお伝えします。

突然ですが、会計上、株式等の有価証券を売
却した際にはいつ売却を認識すれば良いでし
ょうか。

例えば、不動産売買の場合には契約書を締結
した後の物件引き渡し時に不動産の売却を認
識します(引渡し日基準)。

しかし、有価証券の場合には異なります。

有価証券の場合には原則として引き渡し日で
はなく、約定日(契約時)に売却を認識しま
す(金融商品会計に関する実務指針 22項)。

これを一般的に約定日基準と言います。

そのため、約定日において売主は有価証券の
消滅を認識し、買主は発生を認識(帳簿に計
上)を行うのが原則となるのです。

上場会社においては株券不発行が一般的とな
っており、引き渡しという物自体がほぼなく
なっていることから、

約定日に売却を認識するというのは納得出来
るかと思います。

(非上場企業においては、株券を実際に発行
している場合もあります。)

では、通常とは異なり、引き渡しまで1か月
以上かかるような、以下の設例の場合にはど
のような処理をすべきでしょうか。

(以下、設例)
A社はB社に1か月後受渡しでC株式を売却
することを約定しましたが、受渡しまでに決
算日が入ります。

約定価格は100、期末時の時価は105、受渡時
の時価は120、A社におけるC株式の簿価は
40であるものとします。

-設例終わり-

このような場合にも約定日において有価証券
の売却を認識すべきなのでしょうか。

こちらについて、「金融商品会計に関するQ
&A Q3」においては、約定日での売却を
認識してはいけないと記載されており、

約定時においては売却は認識せず、受け渡し
時に売却を認識するようにと規定されていま
す。

すなわち、約定日基準が原則となっている理
由は、契約から引渡しまでに時間がかかる不
動産等とは異なり、

有価証券については、株式市場や一般的な慣
行から約定日から引渡しまでには通常それほ
ど長い期間は想定されていないため、

約定と同時に売却を認識することが適切であ
るため、約定日基準が原則となっているので
す。

そのため、設例のように通常とは異なり、約
定日から受渡日までの期間が通常の期間より
も長い場合においては、

約定日において売却は認識せず、引渡し時に
おいて認識するように規定されているのです。

なお、設例のように約定から引渡しまでに期
末を挟むような場合においては、

売買契約を買手も売手も先渡契約として約定
日に認識し、

決算日における未決済の先渡契約をデリバテ
ィブ取引として時価評価し、評価差額を当期
の純損益に計上する必要がある点にご留意下
さい。

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